須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成24年5月号掲載
税務調査
 確定申告が終わってホッとする間もなく、4月に入ってすぐ税務調査の立ち会い依頼が4社分税務署からありました。
 もちろん一つの税務署からではありませんが、調査は普通でも1社につき2日間行われるため、4月は3社分終了しましたが、1社は5月に税務調査を受ける予定になっています。
 昨年が少なかった反動で、今年は税務調査が多いかも知れません。

 「どういう業種が、税務調査の対象になるのか」と時々聞かれますが、最近は業種に係わらず、前回の調査から間が空いている会社、あるいはまだ調査を受けたことのない会社が中心のような気がします。
 赤字の会社も例外ではありません。対象税目は法人税だけでなく、消費税、所得税、印紙税等多岐にわたるからです。

 最悪なのは売上除外です。黒字の会社であればまず、法人税が増加します。過少申告を是正されるからです。同時に赤字会社、黒字会社に関係なく消費税が増加します。消費税は預かった消費税から支払った消費税の差額、または、預かった消費税の何%かを支払いますが、いずれにしても、売上を除外すると預かった消費税が過少になっているからです。更に売上除外していたお金を役員が懐に入れていた場合は、法人税計算上損金(経費)にならない役員賞与扱いとなり、役員個人の所得税が増加します。損金(経費)にならないばかりか懐に入れたとなれば給与所得が増加するからです。そのほかに延滞税過少申告加算税、悪質であれば重加算税等の付帯税が発生します。
 何もいいことはありません。くだらない小細工はやめましょう!!

 開業してから満22年が経過し、4月から23年目に入りました。
 今だから言えますが、私も開業当初、税務調査がどう行われるのかわからず不安でした。
 しかし、何度も税務調査を経験した結果、上記のようなことをはじめ卑怯なことをしなければ恐れることは何もないということを確信しました。
 また、「卑怯な振る舞いがあってはならない」ということは何も税務調査だけでなく、経営、人生についても言えることです。たかだか数十年の人生、小細工をしながら、心の裏街道を歩くような生き方は絶対にしたくないものです


  
                所長 須田幸英
 事務所通信5月号掲載
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